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「これは――魔物ですね、リアスくん、黒騎士、私は少女を助けます。お二方は魔物を」
カイさんの声に突き動かされるように黒騎士さんと僕は魔物と対峙する。黒騎士さんは魔物と戦うことに慣れているのか目を閉じて持っていた剣を構えた。炎が剣にまとわり、魔物を包み込む。
「炎竜、魔鋼塵!!」
その声に合わせて炎は強くなり、僕たちの周囲にいた魔物たちは弾けるように消し飛ぶ。
「すごい……!」
「小僧、油断するな!」
小僧が僕のことだと認識する前に、僕の背後に魔物が音もなく現れる。振り返る前に黒騎士さんの剣が僕の背後の魔物に突き刺さっていた。
「死にたくなきゃぼうっとするな。立ち止まるな」
黒騎士さんの言葉は重く、僕にのしかかる。奥の方でパチパチと拍手する音が聞こえた。
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