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「黒騎士さん、誓約の破棄はまた後でも大丈夫ですか?」
「……ああ、必ずしてくれるならな」
ありがとうございます、とメイスさんは黒騎士さんに礼を言う。僕はそれを黙って聞いていた。黒騎士さんがいなくなって、カイさんは怪我をしていて――僕だけで魔物から彼らを守れるのだろうか。そんな不安が影のように僕に付きまとう。
「カイさんも怪我をしているし、ここはご厄介になった方がいいと思うの」
メイスさんの言葉に僕らは頷く。少女の方にも承諾された旨が伝わったのか、「決まりですね」とメイスの手を握って跳ねた。おだやかそうに見えて中身は結構お転婆らしい。
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