16人が本棚に入れています
本棚に追加
「大丈夫? カイさん」
「ええ。私のことなど気にしなくても良いと言うのに」
「気にするよ、私のために怪我したんだから」
二人が小声でやり取りする中、黒騎士さんはため息をつきながらそのやりとりを見ていた。
その仮面から覗く赤い瞳は濁りはなく、メイスさんたちを見つめていて、あの時の他の黒騎士の仲間とは到底思えない。
「なんだ、人の顔をじっと見て」
「ご、ごめんなさい」
「リアスくんは記憶がないんです。あまりいじめてはいけませんよ、黒騎士」
僕が謝るとカイさんがそう言って僕と黒騎士さんの間に割って入る。黒騎士さんは「いじめてねえよ」とそっぽを向いた。
最初のコメントを投稿しよう!