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上(私は、本当に中君の家から追い出されてしまった)
上(ホームレスになってしまった私は、街中を彷徨っているうちに警察に補導された)
上(だけど、警官に本当の事を言える訳も無く……私は交番にある留置所に入れられた)
警官「じゃ、何か喋る気になったら言ってね。こっちも身元は調べてみるけど面倒だから」
上「……」
警官「おっと、今のは誰にも内緒だよ。また始末書を書かされてしまうからね。アハハ」
上「……」
上(……身元なんて割れるはずが無いよ。私はこの世界の人間じゃないもの)
上(これからどうしよ……魔法を使えば牢屋なんて造作無く破れるんだけど)
上(……まぁ良いや、取り敢えず今はこっそり一枚パクって来た中君のパンツの匂いを嗅ごう)スーハースーハー
プルルルル
警官「(ガチャ)はいこちら等々力3……はい、はい……何ぃっ、近所のビルで少女が飛び降り自殺未遂!?」
上(おーおー、誰か知らないけど大変な事してるね)スーハースーハー
警官「何ぃっ、しかも頭から血を流した同学年くらいの少年を人質に!?」
上(頭から血……?)スーハースーハー
警官「何ぃっ、さらに少女はその少年の事を『中兄ィ』と呼んでいる事から二人は血縁だと思われる!?」
上(……中君!?)
警官「了解、すぐ現場に急行します!!」ガチャ
警官「おい君、牢の中で大人しくしているんだよ!!」ダダッ
上「……」
上「……ヒロイン・ヘロイン・ホテルイン、鍵よ開け!!」ガチャ
上「中君に何があったんだろう……早く行かないと、中君が大変な事に……!!」
*
警官『君は完全に包囲されている~。馬鹿な真似は止めて投降しなさ~い』
下「馬鹿なのはどっちだろうね、そんな説得で投降する訳無いのに。ねぇ、中兄ィ?」
下「あれ、返事が無い。まだ死んじゃダメだよ中兄ィ、逝く時は二人一緒だよ……」
下「ここから落ちれば、永遠に二人きりになれる。上みたいな泥棒猫に狙われる心配もなくなる」
下「もう我慢出来なくなっちゃった……逝くよ、中兄ィ」ズルズル
警官「人質を引きずって……?まさか、心中する気か!?救助マットの展開はまだか!?」
下「これで、ずっと一緒……!!」バッ
警官「クッ、間に合わなかったか!?」
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