Confusion will be my epitaph.

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そのまま向ちゃんはキーキー言い続けていたけど、半ば強引に別れて私は家に入った。 『ただいま』とは言ってみるが、誰も返事は返さない。 お母さんは働きに行っているし、下ちゃんは自室に閉じ篭っているのだろう。 だけど今日は違った。 廊下で、トイレに行く途中の下ちゃんとバッタリ会ったのだ。 「あっ、下ちゃん……」 予想外の遭遇に、私からはそんな言葉しか出ない。 下ちゃんも下ちゃんで、私を一瞥しただけで何も言わず足早にトイレに入ってしまった。 いつまでこんな生活が続くのだろう。 早く昔みたいに、皆が笑顔で、皆が明るかった家族に戻りたい。 どうして家族間でギスギスしなきゃいけないんだろう……どうして……。 気が付くと、私はリビングのソファーに突っ伏して泣いていた。 泣いてどうにかなる問題じゃないのは分かってるけど、でもどうしても我慢出来なかった。 「ただいま~」 玄関からお母さんの声が聞こえて来た……パートが終わって帰って来たんだろう。 お母さんに心配を掛けたくない、泣き止まなきゃ。 そうは思っても、涙は止まってくれなかった。 「あら上ちゃ……どうしたの?」 ソファーに突っ伏す私を見られてしまった。 お母さんが近寄る気配がしたので、そっちの方に顔を上げる。 瞬間、お母さんの表情が強張るのが分かった。 多分今の私が、ぐじゅぐじゅに泣き濡れたひどい顔をしているんだろう。 「大丈夫?何かあったの?」 お母さんが私の両肩に手を置きながら、身体のあちこちをケガが無いか確認する。 私はどこにもケガはしてないんだけど……身体はね。 「中学校で何かあった?」 そうお母さんが聞いて来たけど、泣いている私は思うように喋れない。 だから答える代わりに首を横に振った。 「じゃあどうして泣いてるの?お母さんに言ってごらん?」 優しい声で、諭すように話すお母さん。 私はつい甘えたくなったのか、再び涙が堰を切ったように目から溢れ出て来た。 それと同時に、震える涙声である単語が私の口から出た。 「……お゙、お母さん?」 「なぁに?」 「私、ね……寂しいよ……」
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