サイハテノサイレント

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   光がすり抜けた  一瞬の光  瞬間の爆発  音のない、静かな、暖かい風  風に撫でられ風に揺られ  僕はうっとりと目をつむる  繰り返すそのうちに  僕は光に触れたくなった  暖かい風の中心の、儚げに綺麗な、灰色の光  「風じゃあ嫌なんだ」と  僕は光を欲した  なりふりは構わない  手を伸ばす  光を掴むと僕は  僕に捕まれた光は  静かに、静かに、静かに、消えた  「冷たい」  開いた僕の手には  風の感触だけがいつまでも残った  
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