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「こんなところで何してたの?」
「…ちょっと気分悪くなっちゃって、外にいたの」
「大丈夫?」
「もう大丈夫!なんか西島くんと話してたら治っちゃった」
…アイドルだな、まさに
でも、なんか話しやすい
「じゃあそろそろ行くね」
「あ、うん」
「西島くんも早く戻らないと怒られちゃうよ、掃除中なんでしょ?」
空のゴミ箱を指差して言う
「あ゙っ」
「ふふっ」
面白そうに笑う彼女
「じゃあ、またね」
それだけ言うと伊藤さんは歩きだした
教室行くなら途中まで一緒に行こうよ
って思ったけど、やめた
でも、これっきりで彼女と話せなくなるのは非常にもったいない
だからせめて
「また喋ろう!」
彼女の背中になげかける
振り返って大きく手を振る伊藤さんの表情は
夕日の逆光であまりよく見えない
伊藤さんが見えなくなったから
「行こ」
ゴミ箱を持ちなおして、日高達が待っている教室へと早足で向かった
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