191人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
「……本気で頭おかしいわね」
俺の手を振り払って
そう吐き捨てる
「俺は伊藤さんのこと好きなの。ニセモノの伊藤さんじゃなくて、ホンモノの伊藤さんを知りたい」
「…気持ちワル」
「気持ち悪くていいよ、付き合う条件教えて」
しつこい俺に観念したのか
はぁっ、とため息をこぼす
そして、
「……ふふ、わかったわ」
またいつもの笑顔
俺が惚れた笑顔を見せると
「彼女になってあげる」
俺を見上げてそう言い放つ
…上から目線でムカつくのに
イヤなこと言われたのに
一瞬でまたキミの虜になる
今のは反則でしょ、
それがたとえ彼女の計算だとしても
オレはキミから
逃げられない――――…
最初のコメントを投稿しよう!