表と裏

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「で、条件ってなに」 尋ねると、伊藤さんは口を開いた 「一、私に触らない」 「は?」 「私からならいいけど、西島くんからは私に触っちゃダメ。 事故はカウントしないけど。 もし西島くんから触ったらその瞬間終わり。 ただし、その日は私に何したっていいわ。どうせ別れるんだし」 …ウソだろ 「手、繋ぐとか」 一応聞いてみると 「なし。もちろんキスもね」 速攻で却下された 俺、男だよ? 変態ではないけど 全く下心ないっていうわけじゃ ないんだけど…… 「なんでダメなの?」 「二、私に質問しない」 「え?」 聞き返しても答えない彼女 「三、1ヶ月以内に私が西島くんのことを好きにならなかったら別れる。別れたあとはお互い一切干渉しない」 「……………………」 「以上の3つ。どう?途中でイヤになったりしたらいつでもフッてくれて構わないわ」 「よ、余裕だし……」 ここまできたらやけくそだ 「よかった!じゃよろしく」 「おう……」 変なこととか考えてないけど せめて手とか繋ぎたかった……(涙) 「…伊藤さんに彼氏できない理由わかったわ」 「言っとくけど、この条件初めて言ったから」 「そうなの?」 「いつもは速攻で断るからね」 「なんで俺には………」 「西島くんだったら守れそうって思ったのよ。期待を裏切らないっていうか……」 伊藤さん………… 「だって、西島くんヘタレそうだし(笑) ビビって手出さなそうだから」 …そういうことですか
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