表と裏

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そんなこんなで放課後 「じゃ、迎えに行けよ」 「やっぱ行った方がいいのか…?」 「当たり前だろ!」 「でも、一緒に帰る約束とかしてない…」 「付き合ったんなら約束してなくても一緒に帰るだろ」 「そう、すか……」 「ほーら行ってきなさい」 ドンと背中を押されて 教室から出される 「いった…」 俺はリュックを肩に掛け直して 少し重い足をF組に向けた F組まで来て、ドアに近づく 「あ、千晃の彼氏じゃない?」 「あー噂の?」 教室の中にいた女子が俺を見て言う 「千晃もやっと付き合ったねー」 「しかもちゃっかりイケメンゲットしちゃって」 「じゃないと千晃と釣り合わないから丁度いいとこじゃない?」 勝手なこと言って勝手に笑う 「西島くんだよねー?」 そしていきなり話をふられた 「そんなとこ立ってないで中入りなよ~」 「千晃ならトイレでメイク直してるよ」 情報どうも 「いや、下駄箱で待つよやっぱり」 そう言って教室から離れようとすると 「やだー、警戒してんのまさか(笑)」 後ろで聞こえてきた声 振り返ると、 ニヤニヤ笑う女子 「意外とガード固いね」 「千晃の彼氏になるくらいならもっと軽いと思ってた」 「ねー」 は? 「それ、どうゆうこと?」 「どうせ顔でしょ?千晃なんて顔だけじゃん」 「優しいけど、周りに合わせてる感じだよね」 「ま、千晃といると男と喋れるからいーけどね」 ねー、なんて言って笑い合う 「千晃だって、あんたのこと顔だよ。中身なんて見てないって」 「そーそー、アイツ絶対中黒いよねー」 「それなー(笑)」 ムカつく。 なに、女子って皆こんななわけ? 「西島くん、千晃と別れたらいつでもおいでよ」 「ちょっと、人の彼氏口説いてんの?(笑)」 「どうせ長続きしないでしょ」 「あははっ」 俺はイライラして F組から離れた。 どこに行くかもわからず ただ校内を怒りにまかせて歩いていると 「ちょっと、」 ふいに腕を軽く引っ張られた 振り向くと 「どうしたのよ、呼んでも全然気付かないし」 少し驚いている彼女がいた 息が上がっている いつから追いかけてたんだ? 「なに泣きそうな顔してんのよ」 呆れた口調だけど、顔は真剣 え、俺泣きそうな顔してんの? 「それも、心配してる"フリ"…?」 って聞くと 「バカ野郎」 って叩かれた
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