日常

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「隆弘くんっ」 可愛らしい声が脳内に響く 「おはよう」 「おはよっ」 学校が近くに見えると 決まって声をかけられる 「今日の時間割最悪なんだー」 俺の隣で歩く彼女 ずっと俺の後ろにいたくせに 学校が近くづくとこれだ 「そうなんだ」 「ったく、ホントに会話が弾まない男ね」 周りにいる学生には聞こえないくらいの小声で毒をはく 「ごめん……」 「もうちょっと堂々としてよ」 ムスッと頬を膨らます彼女 …朝からごちそうさまです。 「千晃ー、おはよう」 「おはよう」 知り合いなのか、にこやかに挨拶を交わしていく 「友達?」 「ちょっと喋るくらいの仲よ」 皆にする挨拶とは裏腹の冷めた声 「おー、西島! 朝からおアツイな」 この声は…… 「日高くんだよね」 「えっ、俺の名前」 「知ってるよ、隆弘くんと同じクラスのカッコいい男の子って有名」 そう優しく微笑む彼女に 日高は顔を赤くする 「ホント可愛いー! 西島なんかやめて俺にしなよー!!」 「えへ、私ワガママだよ?」 …いろんな意味含めてな、 「千晃ちゃんのワガママなんて可愛さの一つだよ」 「日高くんうまいねー(笑)」 眉を下げて笑う彼女に 日高はますます調子にのる 「ほら、そろそろ行くぞ日高」 「俺とも喋ろうね千晃ちゃーん」 俺に引きずられながら日高は彼女に手を振る 笑顔で手を振る彼女 「もうちょっと喋らせろよ」 「もうすぐHR始まるだろ」 「むー」 時間がないってのもホントだけど 一応俺の彼女だし 好きなんだから あんな風に他の男に可愛い笑顔を見せるのは いい気はしない いくら表の表情でも やっぱり嫉妬しますよ、 男ですから
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