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「あ、ありがとう!!俺、仕方ないから学校行くよ!!」
「…仕方ないから、というのが気になるけど……その気になってくれて嬉しいわ。
…出発は明日の昼にしましょう。今日はもう、夜も遅いから早く眠りなさい。」
しっしっと野良犬でも追い払うように母上は俺に就寝を促す。
アゼルさんがため息を吐いて「我が君が決めたことなら…」と苦笑している。
「う、うん!…ありがと、母上…」
おやすみ、と就寝のあいさつをして、謁見室を出た。部屋へ向かうその足取りは軽い。
―――だって、やっと捜しに行ける!父上を捜し出せる!!この時をどれだけ待ったことか!
今なら、目からビームも夢じゃないかもね!!あはははは!!
「……学校、行くの?」
ふわふわと喜びに打ち震えていると背後からユニスに声をかけられた。その表情は寂しそうだ。
…いや、俺はお前から離れられてめっちゃ嬉しいんですがね!
「うん、そうみたいだ。…クワテッドにある国立学校だって」
1年だけだが母上も通ったことのある学校だ。一流の教育機関で、母上も大絶賛の。
「そう…。…アロリウ、結局行っちゃうのか…」
「ユニス…」
寂しそうな表情に少しだけ罪悪感が芽生える。
学校に行ってしまえば長い間会えなくなるだろう。一応幼馴染なのだし、もう少し優しくしてやればよかった。
と、思っていた時期もありました。
「ねぇ、アロリウ。思い出のよすがにその首置いてってよ」
「お前は馬鹿かwwwほんまもんの馬鹿なのかwww」
ユニスには油断しない方がいい、と思います。絆されたら、終わりです。(残りの命的に)
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