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「親の顔が見たい、と言えば………ああ、またイライラしてきたわ…。あなたはその後頭部の中途半端な髪の飛び跳ね方だけどっかの誰かにそっくりで…。」
「何々、イライラするって更年期障がッ……………何でも有りませんッ、机を投げないで!!」
本当に恐ろしい魔王様だ。
…………まぁ、これが、俺の母親である。
人間との和解を成功させた魔国きっての女傑、メイフィル=グランデン。
そして、俺はその息子で、ここ、魔国ニヒレラの第一王子である。
名前は…
「アロリウ。――――あなた、母をおちょくってるの!?」
「いえいえそんな滅相もございません、母上様。いやマジでいつまでその机で俺をロックオンしてんのwww」
はい、アロリウと言います。アロリウ=グランデン。
アロリウは魔族の古い言葉で“祝福を得し者”というらしいです。18歳ピチピチの青春男子です。
「…まぁ、いいわ。―――あなたに、命令があるの。そのためにここへ呼んだのよ。」
「命令?」
ほう、珍しい。第一王子である俺がわざわざ出なきゃいけないだなんて。
これでも俺、あんまり自国から出してもらえない箱入り息子なのよwww
そんなことを考えながら、母上の言葉を待つ。
そして、その言葉に衝撃を受けることになる。
「あなた、学校へ行きなさい。」
「お断りします!!」
自分でも驚くくらい即答した。
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