エピソード1

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動揺した私は、身体ごと京さんから車の窓の方へと向けた。 あぶない、あぶない・・・ 見透かされる! 「優は可愛いな」 「へっ!?」 後ろから聞こえた言葉に驚き、勢い良く振り返った。 おそらく私の顔は真っ赤。 そんな私を京さんは優しい瞳で見つめていた。 「っ、なっ!」 「行くか」 一人テンパる私を放置し、京さんは再び車を動かし始めた。 運転席側の窓の外の景色が流れる。 片手でハンドルを操る京さん。 力強い瞳で先を見つめている。 私はその姿から目が離せない。 この人が私の彼・・・。 私に出来た初めての彼は、闇を纏いながらも輝く、とても力強い人・・・だと思う。 今の私は京さんの事をよく知らない。 これから私は色々な京さんを知っていく事になる。 そして私を取り巻く環境がガラリと変わっていく事を、この時の私はまだ知らなかった。
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