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「知り合いしか入れないって、どういう事?」
私は拓真に尋ねた。
入口の扉には特に何も無く、拓真も普通に扉を引いて開けていた気がする。
これじゃ誰でも入れるんじゃ・・・。
「これだ」
拓真はポケットから何かを取り出すと、指に挟み私に見せてきた。
「・・・カード?」
青いライトでよく見えないが、指に挟まれた物はカードのような物だった。
「これをここに・・・」
拓真は扉の前まで行くと、ノブの横にある機械のような物に差し込んだ。
『ピー、___ガチャ』
途端に聞こえる認証音と鍵の開く音。
「カードキー?」
「あぁ、入るぞ」
拓真は再び扉に手をかけると、ゆっくりと開いた。
拓真に連れられるがまま扉を潜る。
一つ目の扉の時のような緊張は無くなっていた。
「・・・凄い」
目の前に広がる光景に、先程とは違う驚きに息を呑む。
「綺麗・・・」
私の視界に映る蒼い海。
大きな水槽に色とりどりの魚が泳いでいる。
底に敷かれた白い砂。
青いライトに照らされた水面がユラユラと揺れている。
目の前に広がる幻想的な光景と音楽に言葉を失い、瞬きするのも忘れていた。
「いらっしゃい」
水槽に夢中になっていると、奥の方から若い男の人声が聞こえてきた。
声のする方に振り向けば、優しい笑顔を浮かべる綺麗な黒髪の男の人が立っていた。
「おう、蒼!! 久しぶりだな!」
「あぁ、久しぶり」
どうやらこの人が拓真の知り合いで、この店のマスターのようだ。
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