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「おい、まさか!」
「おう!そのまさかだ!!」
「嘘だろ・・・」と驚き呟く蒼さんと、「それがマジなんだよ!」と笑う拓真。
蒼さんの瞳が私を捉える。
相当驚いているのだろう。
蒼さんの切れ長の目が大きく開いていた。
「じゃあ今日の昼間、京と肩くんで歩いてたうえに車に乗って消えた娘って・・・」
今日の昼間・・・。
うん。身に覚えある。
「・・・多分それ・・・私です」
私はそっと頷いた。
「な、なんで知ってるんですか?」
「この街の噂だよ」
「噂?」
「うん。あの京が、女の子連れてたってね」
そんな噂になってるの!?
「この街で京は有名人だ」
私、昨日まで知らなかったけどね・・・。
「だから俺が出張の間、京に頼んだんだ」
「え?」
「京の女が誰かなんて、探そうとすればすぐに優だってばれる。そうなれば優に危険がおよぶかもしれねぇ」
「そんな、おおげ…」
「大袈裟じゃねぇぞ!」
「ッ!!」
拓真の鋭い視線が私に突き刺さった。
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