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「昨日言ったよな?同じヤクザでも渉や葵とは違うと」
「うん・・・」
「皆が京を尊敬して慕ってる奴らばかりじゃねぇ。あいつを憎み、妬んだ奴らもいる。敵対してる組だって山ほどある」
「・・・」
「今の京にとって、弱点はお前だ」
「・・・私?」
「そうだ。奴らはそこを叩いてくるはずだ」
私が京さんの・・・。
俯く私の耳にライターに火が灯る音が聞こえた。
京さんの・・・弱点・・・。
膝の上に置いた手をギュッと握り締めた。
「・・・私、京さんの傍に居ない方がいいのかな?」
拓真に向かって思いを口に出した瞬間に、涙がこみ上げてきた。
「はぁ?」
拓真の声が店内に響く。
「だ、だって!!」
「優、落ち着け」
私の強く握り締めた拳の上に、拓真の手が置かれた。
「今のは可能性の話だ」
「で、でも京さんが!」
「京の心配はいらねぇ。アイツも馬鹿じゃねぇからな」
「でもっ!」
「いまさら何言っても京はお前を離す気はねぇぞ」
「え・・・」
「優だって京と一緒にいてぇんだろ?」
拓真の手が私の頬に伸びる。
私の瞳から零れ出した涙をそっと拭ってくれた。
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