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私の歩んでいた道に、突如として現れたもう一つの道。
その道は、京さんが纏う闇と同じ暗闇に覆われている。
私は道の分岐点まで辿り着くと、迷わず闇に覆われた方の道へと足を進めた。
なぜなら、その暗闇の中から私の名前を呼ぶ声が聞こえてきたから。
低く、優しく、とても安心できる愛しい人の声。
そう、京さんの声が。
閉じていた瞳をゆっくりと開く。
目の前に立つ蒼さんは、じっと私を見つめていたようだが、私と目が合った瞬間に口角を上げ微笑んだ。
私の瞳から覚悟を感じとったらしい。
「で、どうすんだ?」
隣から拓真の声が聞こえ、そちらに視線を向ける。
「決まったか?」
「うん。京さんの傍にいる」
私は拓真の瞳を真っ直ぐ見つめ、覚悟を口にした。
「そうか」
拓真の手が、ポンポンと頭の上に置かれる。
「優ちゃん。京の事、よろしく頼むね」
「はい」
正直、私にちゃんと京さんを愛せるかはわからない。
けれど、京さんを愛しいと思ったこの初めての感情に従って、前に進みたいと思う。
京さんと共に。
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