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「他にも仕事してるんですか?」
私は蒼さんに尋ねた。
「うん。メインはクラブの経営してるんだ」
「クラブ?」
「そう、踊るクラブとホストクラブ」
「ホ、ホストクラブ!?」
流石に行った事はないけど、存在自体は知ってる。
「そ、蒼さんホストなんですか!?」
「ん?今は違うよ」
“今は”って事は、昔はホストだったんだ!
お店の明かりが薄暗いため、はっきりとした蒼さんは見れないが、見た限り綺麗な整った顔をしている。
それに加えて、優しい微笑みと、蒼さんから醸し出される妖艶な香り。
ホストと聞いて、素直に納得してしまう。
「今はオーナーとして働いてるよ。たまに店に出るけどね」
「蒼は今でも人気があるからな」
・・・やっぱり。
「あいつら、こいつの腹黒さを知らねぇんだ」
拓真は、蒼さんを顎で指しながら言った。
「腹黒い? 蒼さんが?」
「あぁ」
「拓真、余計な事優ちゃんに言うなよ」
拓真に腹黒いと言われた蒼さんは、苦笑いをしている。
「だって、本当のことだろ?」と拓真は笑っていた。
否定しないんだ。
「まっ、こんな仕事だからね。腹黒くもなるよ!」
蒼さんは否定する事無く、自分で自覚しているようだった。
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