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「だろうな」
自嘲気味に笑う蒼さんを見て、拓真は軽く鼻で笑いながら呟いた。
店内にスピーカーからゆったりとした音楽だけ流れる。
な、なんか気まずい・・・。
「そうだ!!」
「ひゃっ!」
煙草の箱に手を伸ばそうとした瞬間、蒼さんの大きめな声が響き渡った。
慌てて蒼さんをを見れば、笑顔で私のことを見ている。
なっ、なに!?
「優ちゃん、今度そっちの店に来てみない?」
「・・・はい?」
蒼さんの突然の提案に戸惑う。
“そっちの店”ってホストクラブにってこと?
「俺がエスコートしてあげるよ」
蒼さんの瞳は何故か輝いていた。
「一人が不安だったら、友達一緒に連れてきてもいいよ」
「友達・・・」
友達と聞いて、ふと頭の中に里緒が浮かんできた。
里緒に話したら、絶対『行くっ!』って言うよ・・・。
そもそもなんで蒼さんは私をお店に誘うの?
私まだ高校生だよ?
ホストクラブに出入りしていいわけがない!
「あ、あの・・・」
「んじゃ、これね」
ホストクラブへの訪問を遠慮しようと口を開いたと同時に、蒼さんは私の前に携帯を差し出してきた。
「登録終わったら、優ちゃんの番号俺にも教えてね」
視線を下げ携帯の画面を見ると、登録用のコードが表示されていた。
「は、はい!」
ひとまず先に登録を済まそうとバックから自分の携帯を取り出した。
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