エピソード1

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「それ、私の!」 拓真が差し出す物は、私のバックだった。 「なんで持ってるの?」 私のバックを拓真が持っていることに驚き尋ねる。 「はぁー」 拓真の口から、ため息をつく音が聞こえてきた。 「なんでって、今の今まで俺が持ってるのマジで気付いてなかったのか?」 「うん」 「はぁー」 先程よりも深いため息をつく拓真。 「優はしっかりしてるように見えて、どこか抜けてるよな」 「え?」 「アイツが優の事心配して傍にいたのもわかる気がするわ」 拓真はブツブツと呟きながら歩き始める。 " アイツ"って誰のこと言ってるかわからないけど、なんか失礼な事を言われた気がする! 「ちょっと!」 扉に向かって歩き出した拓真の後を追いかけるため、止めていた足を進めた。
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