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拓真が寝室に入ったのを確認して、私はキッチンへ移動した。
お気に入りのマグカップにコーヒーの準備をする。
「ねぇ!拓真もコーヒーい・・・キャー!!!」
目に映る衝撃の光景に思わず叫び声を上げてしまった。
寝室から出てきた拓真は下着だけの姿。
「ちょっ!服は?」
「いや、先にフロ入ろうと思って」
「部屋では服着てって約束したじゃん!」
「あ?着たり脱いだり面倒くせぇだろ」
「もう!早くお風呂場行ってよ!」
「はいはい」
拓真はまたしてもだるそうにお風呂場に向かって歩き出した。
「はぁー・・・」
私は深いため息をついた後、自分の分のコーヒーを入れ明日の用意に専念する事にした。
何を用意すればいいんだろう。
京さんは必要な物だけ荷物をまとめとけと言っていた。
拓真に一度尋ねたが、全く役に立たない返答だったし。
必要な物・・・、必要な物・・・
考えてみても、イマイチ何が必要な物なのかがわからない。
とりあえず私は、両親が愛用していた旅行カバンに、普段使っている物を詰め込んでいくことにした。
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