エピソード2

3/43

4429人が本棚に入れています
本棚に追加
/224ページ
拓真が寝室に入ったのを確認して、私はキッチンへ移動した。 お気に入りのマグカップにコーヒーの準備をする。 「ねぇ!拓真もコーヒーい・・・キャー!!!」 目に映る衝撃の光景に思わず叫び声を上げてしまった。 寝室から出てきた拓真は下着だけの姿。 「ちょっ!服は?」 「いや、先にフロ入ろうと思って」 「部屋では服着てって約束したじゃん!」 「あ?着たり脱いだり面倒くせぇだろ」 「もう!早くお風呂場行ってよ!」 「はいはい」 拓真はまたしてもだるそうにお風呂場に向かって歩き出した。 「はぁー・・・」 私は深いため息をついた後、自分の分のコーヒーを入れ明日の用意に専念する事にした。 何を用意すればいいんだろう。 京さんは必要な物だけ荷物をまとめとけと言っていた。 拓真に一度尋ねたが、全く役に立たない返答だったし。 必要な物・・・、必要な物・・・ 考えてみても、イマイチ何が必要な物なのかがわからない。 とりあえず私は、両親が愛用していた旅行カバンに、普段使っている物を詰め込んでいくことにした。
/224ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4429人が本棚に入れています
本棚に追加