エピソード2

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「さぁ、中にどうぞ。親父と姐さんも待ちわびてますよ」 「うん」 前を歩く葵兄と渉の後をついて、京さんと並んで歩きだした。 「優ーっ!!」 家の中から聞こえてくる大きな声。 その声は怒声に近い。 私は思わず玄関先で足を止めてしまった。 久しぶりに聞くその声。 間違いなく怒っている。 その声の主が、足を止めた私の代わりにこちらに向かってくる。 「優っ!!!!」 姿を現したその人は、私の目の前に来ると強く引き寄せた。 「淳ママ・・・」 「あんたって子は!」 「ご、ごめんなさい・・・」 久しぶりの再会に涙が出そうになる 淳ママは渉のお母さん。 私の母の親友だった人。 ダークブラウンのロングヘアに、抜群のスタイル。 相変わらず赤い口紅がとても似合う。 「心配してたんだぞ!この馬鹿娘っ!!」 口の悪さも全く変わっていなかった。 淳ママの勢いに圧倒される。 「淳ママ、ごめんなさい・・・」 「渉が止めなきゃ、私は家に乗り込んでたよ!」 「え?」 「『俺にまかせてくれ』だのなんだの言って頭下げられたから黙って待っていたもの、何一つ連絡もよこさないんだもの!」 「ご、ごめんなさい!」 ってか、渉はそんな事してたの? チラッと視線を渉がいた方へ向けるが、そこに渉の姿はなかった。
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