エピソード2

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「お、俺の女ぁ!?」 「あぁ」 驚く淳ママとは反対に冷静な京さん。 グラスに注がれたグラスを一気に飲み干していた。 「ちょっと!どういう事?渉!!」 淳ママの怒りの矛先は、何故か渉に向けられる。 慌てて渉を見れば、片膝を立て煙草を吸っている所だった。 そういえば、渉にまだ何も話してない! 「淳ママ、まだ渉には・・・」 「俺は話た」 渉の口から出た言葉は予想外のものだった。 「なんで知ってるの?」 「あ?聞いてないわよ!」 見事に私と淳ママの声が重る。 その様子を見ていた渉は、呆れた顔をしながら深いため息をついていた。 京さんと付き合う事になったのは、昨日の事。 渉にはまだ何も話せてなかった。 「京さんから聞いてる。その事は親父に話した」 渉は吸い終えた煙草を灰皿で消しながら、面倒くさそうに言った。 隣を見れば、煙草を取り出す京さん。 どこから現れたのか、葵兄が火を差し出していた。 京さんいつの間に渉に話したんだろう・・・。 「私聞いてないわよ!」 「だから、親父に」 「ちょっと、賢さん!」 淳ママの怒りは、今度は賢パパに向けられた。 「ん? おっ、これも美味ぇな!!」 さすが賢パパ。 皆がざわつく中、賢パパは一人料理に夢中になっていた。
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