エピソード2

42/43
前へ
/224ページ
次へ
「優、おいで」 ガチャという音をたてて開かれたドアの奥には、大きなベットが1つ置かれていた。 窓からは月明かりが差し込む。 電気などつけなくとも、部屋の様子を見ることができた。 「あ・・・」 足を止めてしまった私の肩に手を回すと、京さんはベットに向かって進んでいく。 もしかして・・・。 「京さん、一緒に寝るの?」 「嫌か?」 「い、嫌じゃない」 月明かりに照らされる京さん。 その様子にドキッとしてしまった。 京さんの腕に包み込まれる形で大きなベットに二人横になる。 私の心臓はうるさい程動いていたが、京さんの温もり、匂い、全てが心地よく感じていた。 「優、大丈夫だ。お前は俺が守る」 耳元で聞こえる甘い声。 額、唇にと降りてくる優しい口付け。 京さん言葉、仕草全てが私を安心させてくれる。 京さんは、私の心の不安を取り除いてくれるから不思議だ。 まるで心を読まれているかのよう。 自然と瞼も重くなってきた。 「優・・・愛してる」 「私も・・・」 そこで私は意識を手放した。
/224ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4437人が本棚に入れています
本棚に追加