番外編

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「で?何をどうすんだ」 「おう」 俺は京の前のソファーに腰を下ろし、先程の話の内容を話す事にした。 「今日の夜、龍神の暴走あんだろ?」 「あぁ」 俺等が引退して渉たちに引き継いでから、今日初めてデカイ暴走がある。 渉の総長就任祝いの暴走だ。 「行くのか?」 「俺が行かねぇって言っても、秀は一人で行くつもりだろ」 「・・・おう」 俺たちはヤクザだ。 本来なら、もうガキ共と一緒に騒げる立場じゃねぇ。 でも、弟のように可愛がっていた奴等を祝ってやりてぇと思う気持ちが強くあった。 「俺も行く」 「行くのか!?」 自分から聞いておいてなんだが、京の返答に少し戸惑ってしまった。 『めんどくせぇ』と『煩せぇ』が口癖の京。 『煩せぇ』は大概、俺に対して言われる言葉だ。 そんなでけぇ声出してねぇんだけどな。 京とは腐れ縁で、ガキの頃からずっと言われ続けてきた。 そして、もうひとつの口癖の『めんどくせぇ』。 基本京は、物事に興味を持たない。 興味があるのは車ぐらいか・・・。 何かある事に『めんどくせぇ』という言葉が出てくる。 そのため、今回の事も『めんどくせぇ』で済まされてしまうだろうと思っていた。
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