番外編

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◆◆◆◆◆◆ 「何でお前は起きへんのや!」 「・・・」 車内に俺の声だけが響く。 「7時に出るって、言うたやろ!!」 「・・・」 一時間前から京を起こしにかかったが、死人のように眠る京はなかなか目を覚まさず、案の定7時を過ぎてしまった。 「・・・秀」 後部座席に身を沈める京がやっと口を開いた。 「なんや!」 「喋ってねぇで、前見て運転しろ」 「はぁー?」 「飛ばせ。遅れる」 俺の頭の中で、何かが切れる音が聞こえた。 て、てめぇ・・・。 このどうにも出来ない苛立ちをアクセルの上に乗せた足に込める。 俺が操る車は、グングンとスピードを上げ進み出した。
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