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エピソード1
暗く、広い部屋で1人。
時を刻む音だけが妙に響いている。
窓の外はぼんやりと明るい。
・・・空は『今日』を連れてきた。
_____また1日が始まる。
◆◆◆◆◆
カーテンの隙間から朝日が入り出したころ、突然携帯が鳴り出した。
目覚まし用に登録したお気に入りの曲が流れている。
「もう朝か・・・」
手を伸ばし携帯のアラームを止める。
「はぁ・・・」
今日もろくに眠れず朝を迎える。
夜に眠れない事にも慣れてしまった。
『悪夢』を見るくらいなら起きていた方がいい・・・。
・・・そろそろ用意しなくちゃ。
寝室から洗面台へ移動する。
顔を洗うと眠気が少し取れた気がした。
鏡を見ると、目の下にクマが少し出来ている。
これぐらいならまだ隠せるかな・・・。
キッチンでコーヒーを用意してからリビングのテーブルへ行き、鏡を用意して化粧ポーチから化粧品を取り出す。
慣れた手つきで化粧を済ませ、腰まであるキャラメル色した髪の毛をゆるく巻いていく。
ふと壁にかけられた時計を見ると7時30分を過ぎようとしていた。
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