番外編

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「よかった・・・」 俺が教えた情報に安堵の表情を浮かべる優ちゃん。 俺らにとってはこんな事よくある事だが、今日初めて暴走に参加した優ちゃんにとって驚きと不安でいっぱいだったのだろう。 「悪かったな、怖かっただろ」 俺も思っていた言葉を、京が優ちゃんにかけた。 「大丈夫です。・・・京さん達が守ってくれるって、言ってくれてたから」 「あぁ」 ・・・なんだ?この甘ったるいムード。 俺もいる事忘れてねぇか? 「あっ!俺タバコ買ってくるわ!」 大人な俺は空気を読み、二人きりにしてやろうと後ろに声をかけた。 まぁただ単に、京に怒られるよりも先にこの場を離れるためだ。 これ以上甘ったるい京を見ていたらきっと俺は大笑いをしてしまうから。 「優ちゃん、なんか欲しいのある?」 「えっと・・・。 大丈夫です」 「遠慮せんといて!んじゃ適当に買ってくるわ」 俺は車から降り、一人コンビニの中へと歩いた。 その途中、再び俺の携帯が鳴り出した。 今度の相手は渉。 自然と顔がニヤける。 俺はその電話に出ぬまま、音を消すと再びポケットにしまい歩き始めた。 ・・・楽しみは始まったばかりだ。
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