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「……………!!」
間一髪のところでスサノオは竜騎士の‘技’を避けた。空から繰り出された地面をも裂く突き。竜騎士の剣の周りは爆弾が爆発したかのように見事に失せており、試合前に綺麗に整備されていたコロシアムの土壌はそこの部分だけがえぐれていた。
(おいおいマジかよ……)
あれが人の繰り出す技か? もしまともに喰らえば、いくら救護班がそばで待機している現状でも助かる気がしない。ちらりと場外を見る。父と母の真っ青となった表情だけが目に写った。
「ふん、まさかの今の一発を避けきるとはな」
ザクッ、と竜騎士はえぐれた土から剣をを抜く。パラパラと刃先から砂が舞う。
「だが、次は避けれるかな? スサノオ」
竜騎士が剣を構える。スサノオも相対するように剣を構えたが、その額からは汗が滴り落ちていた。
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