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「本当かよ。あのなんか、金色のドラゴンがくっついてるやつか? おれは普通のやつが良かったよ。まあ賞金20万枚のコインは嬉しいけどさ」
重い竜騎士を担いで救護班の人に渡そうとするスサノオ。救護班の人も竜騎士の鎧やらマスクヘルメットやらの重さに苦労しているようだった。
「名誉より富か……まあ、人によるな。何か欲しいものでもあるのか?」
担架になんとか担ぎ込まれた竜騎士が何気なくそう聞くと、スサノオは少し暗い表情をした後、「俺が何を買おうと勝手だろ」とだけ、ぶっきらぼうに言った。
「それもそうだな……とにかく、優勝おめでとう。こんな姿で悪いが」
「おう。俺もトロフィー貰ったらすぐ病院行くことになるけどな」
わき腹をさする。ズキズキと痛みが広がるのをなんとか抑え込む。
「そうか……」
竜騎士は一瞬、詫びるべきかと思ったが、そう思っているうちに担架が動きだし、コロシアムの出口まで運び出されていった。
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