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「では、これよりワシン区代表スサノオとエフエフ区代表の竜騎士の最終決戦を始める」
スサノオは前に歩み寄り、竜騎士と呼ばれた全身青みがかった相手もこちらへと歩を進めた。体格は大きく、その手に持つ剣は白く輝き、日ごろから丁寧に手入れされていることが見てとれた。
竜騎士はスサノオの三歩先のところで立ち止まると、深々とお辞儀をした。こちらもつられてお辞儀をする。竜騎士、か。なるほど。騎士と名乗るだけはある。
(ちょっくらからかってやるか)
顔を下げた状態で口元でニヤリと笑みを浮かべ、審判に聞こえないよう小さな声で竜騎士に声かける。
「だっせーな、そのカッコ」
「なっ……!?」
「全身真っ青ってセンスを疑うぜホント。極寒の地で育った海老だってそんなに青くはならねーよ」
「き、貴様……私のカラーセンスを侮辱するというのか……」
スサノオは顔を上げる。竜輝氏も顔を上げた。だがそのヘルメットマスクの下から除かせるエメラルド色の瞳は、明らかに怒りの感情が見て取れた。
「…………プッ」
「き、貴様ああああああああああ!!」
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