71人が本棚に入れています
本棚に追加
良い奴だな。
竜騎士にはそう聞こえたような気がした。
スサノオは渾身の力を振り絞って、竜騎士の手へと顔を近づけた。痛むわき腹をよそに、その勢いで竜騎士の指にかぶりつく。
「いっ……!!!」
余程の力で噛んだのだろう。指から血が滲み出た。そして、何があっても離さないよう力を込めた手を瞬間的に離してしまう。
「しまった!! スサノオ!! スサノオーーーーーー!!!」
あらん限りの声量でそう叫んだが、声はスサノオには届かなかった。
スサノオは闇の中へと消えてしまっていた。
最初のコメントを投稿しよう!