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闇の中に落ちて行く。そんな表現が比喩ではなく、見に染み込んで伝わってくる。
(死ぬってこんな感じか……)
ドサッと音ともに自分の体が、まるで草木が萌える地についた感触がした。
(普通にいてえ)
わき腹が痛い。ついでに背中も痛い。今打ったところからジンジンと痛みが流れてくる。
それに気のせいか。なんだかまぶたの裏が明るい。ライトに照らされたかのように光が目をつぶっていても差し込んでくる。この暖かさ……ライトというより、太陽みたいだ。
耳元でバッタか跳ぶ音が聞こえた。これが死後の世界……? なんか想像以上に生々しさを感じる。これは死んでるというよりは。
「生きてるじゃねーかっ!!!」
思わず一人ノリツッコミ。ガバッと起き上がってそんな第一声を上げたあと、あまりのわき腹の痛さに身を悶える。苦しみながら周りを見渡せば、草木が生える、開拓されてない森の一部であるかのようだった。
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