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カタルシスの危機の時と世界大飢饉の時。……問題は世界レベルの状況じゃなきゃドラゴン像は現れないということだ。ということは、自然と今世界レベルでヤバイことが起こっているという考えに至る。
そして、それはヨミの身近でも起こっている。少なくとも大飢饉ではないだろう。さっき、買い出しに言った時、店には普通に品がたくさん置いてあった。父親の「おっ、白菜の安売りだ。ツイてるねスサノオ君!」という発言からも、農作物の不作ではない。となれば、悪魔がまたこの世に現れ、世界を滅ぼそうとしている線が残る。
(そんな馬鹿なこと、あるわけねえよな……)
悪魔って、なんだ。想像もつかない。仮にそうだとして、無理だ。そんな奴に勝てるわけない。勇者でもなんでもないし、自分は精々、大会で優勝するぐらいの規模だ。世界レベルの話となると規模が違う。
(駄目だ……分からねえ)
素直にヨミに聞こう。そして、元の世界に帰る方法もなんとか調べてもらって、帰ろう。そうしよう。
もう、泣いてないよな? 念のためゴシゴシと袖で目元拭った。こちら側に来れる、というのならあちら側に帰れる、ということだ。問題ない。平常心を保とう。
そう思い、スサノオは庭を後にした。
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