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「うおおおおおおおおおおおおお」
猛々しい声とともに振り下ろされる剣をスサノオはすんでのところで避け、バックハンドスプリングとバック宙で竜騎士との間に距離をとった。竜騎士をその身の軽さに驚くことはなく、すぐさま砂埃を上げるダッシュ移動でスサノオの軌跡の後を追う。
二撃、三撃。剣を高速で振るもスサノオはすんでのところで避ける。そして追い詰めると見事に体格の差を駆使し、わき腹横をダッシュで通りすぎてしまう。
「ぐぬぅ、ちょこまかと……」
剣を縦斬り横斬りではなく、突きへと変更する。突くたびにヒュオッと風を裂く音が聞こえた。だがスサノオに当たるどころかかすることもない。完全にこちらの動きを捉えていた。
やがて竜騎士が立ち止まって突くのをやめ、槍のように剣をグルングルンと回転させた。
その時スサノオはニヤリと笑った。
「……今か」
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