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『政樹君。朝だよ。』
俺はとある大切な人の耳元でささやく声で目を覚ます。
『あ・・。先生。おはようございます。』
俺はそう目をこすりながら挨拶した。
『もう・・先生って。私達付き合って何年になるのよ。』
彼女はそう苦笑混じりに言った。
『いえ・・昔の夢を見たんです。だから先生って。つい。』
俺はそんな先生を見て申し訳なさそうに言った。
『昔って私と政樹君が生徒と教師の関係だった時のこと?。』
先生は首を傾げる。
それがなんともかわいらしい。
『そうです。あの時のこと色々とあったなって。』
『そうだね・・。』
俺達はあの時の思い出を振り返った。
俺の名は多村 政樹(たむら まさき)。
髪型は短髪のツンツン頭でよく鋭い目をしてるとか言われる。
背丈は中肉中背で本当にそこらへんにいる普通の高校生だ。
だが、少し変わったところもあって。
とある学校の風景。
『ほら。政樹君。お弁当作ってきたよ。』
俺にニコニコと笑みを浮かべる女性。
制服じゃない。
『あ、ありがとうございます。先生。』
俺は先生から弁当を受け取る。
俺達は別に姉弟とか親戚とかではない。
つまりは恋人。
教え子と教師のイケない間柄なのだ。
という恥ずかしい言い回しをしたくなった。
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