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俺を呼び止めたこいつの名は
甲斐 貴史(かい たかし)。
オレンジに近い茶髪のパーマがかった髪が特徴的で、黒縁メガネをかけ背丈はスラっとしていわゆるモデル体型。
目つきは垂れた目をしてそれを見てかわいいとかいう物好きな女子もいる。
『そりゃ一緒に飯を食ったけどさ。』
俺は貴史の隣の席で机に突っ伏しながら貴史にそう言った。
『ふん・・。まぁ、小中全くモテなかったお前が彼女を・・それもあんな美人先生と付き合ってるんだからな・・。』
貴史のその言葉が痛く刺さる。
俺と貴史は幼なじみで育った。
男同士の幼なじみなどあんまり嬉しくないがそれなりに仲良くやってきた。
まぁ、そんなこいつも他校の真木原とか言う子とつきあってるらしい。
貴史が言うにはあの真木原グループの娘・・という虚言を吐いているが。
だから、俺は1人で帰るようになり退屈だった。
だが、そんな時。
うちのクラスの副担任をしている桜音先生にマンツーマンで補習を受け、急接近して、今に至る。
『まぁ、嬉しいわけよ。数少ない幼なじみからしたら。』
『数少ないっておまえだけだろ。俺の幼なじみは。』
貴史がそう笑顔で言ったことに俺は言葉を返す。
『いや、居ただろ?。俺ともう1人。』
『誰だよ?。』
貴史の言葉に俺は否定の言葉で返した。
2人が黙り込む。
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