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『・・覚えてないならいいんだけどよ。まぁ、そんなに長いこと一緒に遊んだわけじゃないから。』
貴史はそう言って俺の方から自分の方に向き直った。
次は確か保健の時間・・ってことは担任の秋元先生か。
『おーす!。昼からも頑張るぞ!。お前ら!。』
元気よい挨拶をし赤のジャージを着て、首から笛をかけているいかにも体育教師の我らが担任
秋元 謙太(あきもと けんた)先生。
黒の角刈りに近い髪でどこか暑苦しそうな濃い顔をしている。
『そんな大声じゃなくてもいいっすよ。ただでさえも夏で暑いんすから。』
貴史が教卓の前で立っている先生に茶々を入れた。
『アハハ!。そうだな!。よし、甲斐!。喜べ!。美人転校生が今から入るからな!。西條!。入れ!。』
秋元先生がそう廊下側に向かって声をかけた。
そしてドアが開く。
そこに入ってきたのは・・。
『西條 幹葉(さいじょう みきは)です。よろしくです。』
めちゃくちゃかわいい女の子の転校生だった。
黒髪のロングヘアーで愛らしい目をしていて背丈は少し低くお人形さんみたいだ。
『ありゃ・・幹葉ちゃんじゃねーか・・。』
甲斐がそう呟く。
『彼女はこの街に昔住んでてな。だが、この街が変わっているのを知らなくてな。土地勘だけで来ようとしたらしいが迷ったらしくて。今に至るわけだ。』
秋元先生がそう自己紹介をした。
結構おっちょこちょいなのかもしれない。
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