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そう叫んだ後、鼻水と涙でぐちゃぐちゃになった顔を、服の袖を最大限に伸ばして拭いた。
ここにくるまえもずっと引きこもりだったため、友達が三次元にいなかった俺は、パソコンの向こう側にいる人たちとしか会話をしたことがない。
両親以外の生身の人間とこんなに長く話したのは初めてで、長くなるほど先生との会話は楽しかった。
つまり俺は先生のことを少しだけ気に入ってしまったのだ。
「城之崎くん」
先生に呼ばれて思わず肩を震わした。
すぐ近くに先生の気配があって、自分の服の裾をぎゅっと握りしめる。
先生の顔を見るのが怖くて、涙が乾いてもそのまま拭いているフリをすると、その腕を軽く掴まれて俺は驚いた
顔をあげると、そこには先生の顔が近くにあり、とっさに顔を背ける。
「な゛、なん、ですか」
顔の中心から熱が広がっているのがわかる。
これが羞恥心からくるものか、それとも擦りすぎて熱をもったのかはわからない。
わからないが、後者であることを願う。
「……………。」
先生が俺の顔を穴があくほど見つめている。
どんな表情をしながら見ているのか、怖いけど少しだけ気になって横目で確認しようとしたが、頬に手をあてられ目元を横に流れるように撫でられた
「…っ!」
「あー、やっぱり。すごく赤くなってる。擦りすぎだよ」
お互いの息を感じられる距離まで先生は近いてくると、心配そうに俺の目をのぞきこんでくる
ち、近い近い近い近い近い近い近い近い!
やめて!今の行動だけで心臓ばくばくしちゃったのに、これ以上めちゃくちゃにしないで死んじゃうわよ!
とっさに机に置いたカップを手に取ると、それを思いっきり先生の口に押しつけた。
「やめて先生俺たち教師と生徒なのよそんな甘い雰囲気出されても俺は先生の気持ちには答えられないしそれに出会って数分の男に手をだすなんてあんたどうゆう神経してんだていうかノーマルっていう情報嘘だったのかよならあの情報を書き換えておく必要がありそうだな先生はホモだって俺以外の生徒が知ったらどうなるんだろうな意外とうちの学校ハッカーが沢山いるらしいから気をつけてねああそろそろこの添えられた手をどけてくれると非常に助かるんですがてか腕も掴まれた状態ですから離してくださいてか離せ」
まくしたてると、カップをぐいぐいと押しつける。
天然?天然なのかこの先生。
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