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靴を脱いで部屋へ上がろうとしたその瞬間、黒い何かが猛スピードで僕の頬をかすめた
ピリッと痛みが走り、切れたであろう場所からは赤い雫が顎へとかけて流れ、そのまま下に落ちる
「……ま、マジですか」
後ろを振り向くと、そこには僕の頬をかすめた黒い物体があった……それは玄関の扉に突き刺さっており、まがまがしく光っていた
黒い物体の正体。
それはみんながよく知るゴキ○ブリ様でした
ゴキブ○リ様は最強なのか、突き刺さった今もうごうごと手足を動かし生きている
「……普通は、ぐちゃぐちゃに弾け飛ぶんじゃないのかな」
頬をかすめただけで切れたんだ、とてつもない速度だったに違いない
だから、いつも僕達が見ているゴ○キブリが現在進行形で突き刺さっているゴキブ○リ様と同じ速度で扉にぶち当たったら………確実に死ぬ。
僕の推測が正しければ、この神々しく黒光るゴキ○ブリ様は、人工的に作られた生き物
ゴキブ○リをさらに最強に、そして凶悪に作り上げ、完成したのがゴ○キブリ様っていうところかな
まぁ、僕の妄想に変わりないけど
「だけど、もしそうだとしたら……こいつ危険じゃないかな?」
強化されているボデーを新聞紙で叩いてもきっと潰れることはないだろう
……逆にこちらがゴキブ○リ様にやられてしまいそうだ
「でも、今は身動きできなさそうだし、安全だよね
さっさと不登校児の部屋に行こう」
ゴキ○ブリ様への恐怖の気持ちを紛らわすため、独り言をぽつりと呟くとまた恐る恐る前へ進んだ
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