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「…それにしてもこの雑誌」
テーブルの上に置かれていた雑誌を手に取ると、パラパラと中を確認する
「漫画……か?」
斬新なデザインの衣装を身にまとった少女達が、これまた斬新なステッキを振り回しながら敵らしき触手と戦っている
漫画は元々好きだったから、たくさんあさって、いろいろなものを見てきていた……つもりだったのだが…
「……うわぁ……。」
こういう漫画は初めて見た。
世間一般的にはエロ本と呼ぶだろうそれは、触手に絡まれたところで『少女たちの運命はいかに!?次回に続く!』と大きく書かれ、終わっていた
パンチラの多い漫画だったな……と、思いながら元にあった場所にそれを置くと、スイッチの音と共にネットが落ちてきた
「っうわ!?」
それを華麗に避けると、床に突き刺さったままの槍につまづき転ぶ
転んだ後、頭の上を何かがもうスピードで飛んでいき、カカッと音をたててどこかに刺さった
「ひぃっ…」
小さく声をもらすと、また震え始めた足に力をこめ、すぐに立ち上がる
涙で歪む視界、それを拭う暇もなく、急いで玄関へと向かった
ここに長居すると、命の危険を感じるっ!
扉に勢いよく体当たりすると、すぐにドアノブをひねり出した
だが、ガチャガチャと音がするだけで、扉は開かなかった
「な、なんで!?嘘、嘘!」
取り乱している僕はこの時、気づかなかった。
黒光りするあのお方が、扉に突き刺さっていないことに…
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