†不登校な生徒†

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ぶつぶつと独り言を発している男をしばらく観察していると、しゃがんでいる体勢だからか足が震えてきた。 僕は大きく息を吐くと、男の方に向き直り、姿勢を崩してその場にあぐらをかいた 「と、とりあえず君、名前はなんていうのかな。」 名前をたずねると、男はびくりと肩を震わし、固まった ゴキブリは男の頭に登り、心配そうに触角を動かす 「…名前?名前なんて聞いてどうするんですか あ、まさか、それを使って俺を呪い殺す気? いいよ別に、この世に未練はたくさんあるけど、来週のジャ🌕プだけでも買えたら俺は……この命捧げてやっても……うっ」 未練たくさんあるのに、君はジャン🌕一冊であの世に逝けるのか!? そもそも、誰も初対面相手を呪い殺そうとか考えないからね!? この子、頭大丈夫なの? 僕は全力で、男に心の中でつっこみをいれた めそめそと泣き出す男を目の前にまた息を吐くと、これじゃらちがあかないな、と頭を片手で押さえ、明日の方向を見た 「あの、名前だけでも教えてくれないかな。 僕は島崎翔太っていうんだ…ちなみにー」 「さっき調べてたから知ってるよ、島崎翔太27歳独身でしょ。 阿修薔羅学園に勤めていて、一応教師。担当は国語で、まだきたばかりだというのに、前の担任が教師を辞めたので二年B組の担任になった…」 いきなり喋りだした男は、どう、あってる?とどや顔で僕を見た いやいや君、さっきまでめそめそしていたじゃないか、なんだいそのかわりようは、さっきのは嘘泣きなのか? 僕が黙りこむと、男は徐々に笑顔になっていき、またその口を開いた
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