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いまだに、自分は不登校児ではないと主張している城之崎をゴキ○ブリ様と一緒に眺めていた僕は(ゴキブ○リ様はまるで子供を愛しむ母さながらの瞳であった。)あることに気づいた
「君、さっきこの周辺を散歩しているっていったよね」
「ん?あぁ、そうですけど……それが何か」
「いや、この部屋にくる前に寮長と少しお話をしてね……君はまだ部屋から一歩も出てないって聞いたんだよ」
そう、この不登校児は学校に来ないどころか、部屋から一歩も出ていないと寮長が言っていた。
寮長の部屋は寮の入り口付近にあり、散歩に行くなら嫌でも前を通らなければならない
たまたま会わなかったにせよ、寮長は一般で雇われた人だから(多分)平日でも部屋にいるし、この寮には所々監視カメラがあるらしい。
それを避けて通るのは至難の業だt「あー、なんだそのこと?」
「……え?」
思考を遮られたかと思えば、城之崎はその場を笑顔で立ち上がり、リビングの方へと歩く
「やけに真剣な顔して言ってくるからあれのことかと思ったー。もう、びびらせないでくださいよね。ゆきちゃんおこだよおこ
とりあえず、玄関で話すのもあれですし、リビングでお茶でも飲みませんか?」
「え、っと……あ、はい」
お、ぉう?
当初の目的を少し忘れかけてたが、これはいい感じじゃないか?
何気なく気になったから聞いてみただけなのに、リビングまでお呼ばれしてお茶を淹れてくれるだなんて……
明日までに学校に連れていくのは無理だとしても、あの短時間でかなり僕に心を開いているような気がするぞ
というか、あれのことってなんだろう
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