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「何シケた面してんだよ」
突然後ろから声が聞こえてきた為、僕はその場で立ち止まった。
誰だろう?と思いながら声のした方を振り返ってみるとそこには誰もいなかった。
「あれ…おかしいな」
声が聞こえてきた気がしたのに…
もしや幻聴?
もし幻聴だったとしたらやばいな…
と思いながらまた職員室がある方向に向き直る。
……が
「どこ見てんだ。
こっちだこっち」
スーツの袖を何者かによって引っ張られ、また後ろを向くことになった。
え、やっぱ誰もいないんですけど。
何これ怖い
一人でガクブルしていると下からまた声が聞こえた。
「……だあぁぁぁぁ!
お前は俺のことを馬鹿にしてるのかっ!」
下に視線をやると、あら不思議。
ダボダボなスーツを着た身長142㎝くらいの小学生がいた。
「…え、と……小学生はこちらの校舎ではないですよ。」
とりあえず親切に教えてあげた。
「んなこと知っとるわボケえぇぇぇえぇぇぇえぇぇぇえぇぇぇ!
朝、職員室で自己紹介しただろうがっ!
祇陀月陽哉シダツキヨウヤだ!先輩の名前くらい覚えとけアホっ!」
ワックスでガチガチに固められた銀髪、白のスーツに黒いシャツ、身長がもっとあればホストに見えなくもないこの小学生は確かに職員室で自己紹介をしたときにいた気がする。
「…ちなみに、担当している教科は数学で2年A組の担任だ…
しっかり覚えとけよ。アホ、マヌケ、チビ、平凡顔、バーカバーカ」
どうやら根にもたれたらしい。
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