†ようこそ、我が城へ†

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未だに僕の悪口を言っている小さなホスト先生を無視し、職員室に向かって歩み出す。 それに気づいたホスト先生は慌てて僕の横に走り寄ってきた。 ……不覚にも、その姿が可愛いと思ってしまった僕がいた。 暫くホスト先生を見つめていたら、視線に気づいたのか…話しかけてきた 「…んで?さっきはなんでシケた面してたんだ 嫌な事でもあったか?ん?」 あぁ、そのことか 「実はですね……」 さっきあったことをホスト先生に愚痴る。 相田健一を注意したこと、注意したら生徒に睨まれたこと… 包み隠さず、全て言った。 ホスト先生は途中、相づちをうってくれた。 この人は見かけによらず、実はいい人なのかもしれない。 全てを言い終わった後、ホスト先生は溜息をついた。 「そういやお前、初めてここの学園にきたんだったな…… せっかくだから教えてやるよ 相田健一は親衛隊持ちで、容姿がいい…しかもスポーツ万能でファンが多いから 些細なことでも注意したらクラスの生徒を敵に回すようなものだ。覚えとけよ」 なにそれ怖い…僕そんな人気者がいるクラスの担任なの? この先、やっていけないような気がする… 「あぁ、親衛隊持ちの生徒はみんなそんな感じだから 些細なことでも注意したら駄目だからな…」 「はい、教えてくれてありがとうございます」 「特に生徒会の奴らには近づくなよ… あいつらの場合は特別で、近づいただけでも裁判だって言われて親衛隊に潰される。 現に、お前のクラスの前の担任は近づいただけで潰されたからな…」 ……あ、だから僕が担任になったんだ……納得。 「ってなにそれ怖すぎっ!!」 「……先生達はみんな怯えて生活してるんだよ… っと、職員室についたな。じゃぁまた後で…」 手を振りながら自分の机へと向かう先生を見送りながら、僕は考えた。 「……転職しようかな…」
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