桜木ケント

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「ウーン。男の子は肉まんて決めつけて買った私がバカだったかな?」 彼女はとても暗い顔をする。 「イ、イヤ。そうじゃなくて」 肉まん。かつて、大好物だったモノ。その美味しそうな香りが冷え切った胃袋を刺激する。 「良かった。私、あんまり好きじゃないのよね、肉まん。あんまん派だったら、どうしようかと思っちゃった!」 「で、でも……返すお金が」 顔から火がでる。そんな言葉があると思い出すくらい、恥ずかしくて顔だけが熱い。 「お金?いいの、いいの。夏の間にポイントい~っぱい貯めて来たから」 「ポイント?」 コンビニのポイントカードのことかな? 彼女は僕の質問を無視して、美味しそうにあんまんを食べた。
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