桜木ケント

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「それよりさぁ~。随分探しちゃったじゃない?ケントてば全然学校にいないんだもの。家にもいないし、偶然ここに来なかったら間に合わなかったよ」 「ケントって、僕の名前なんで知っているの?」 「あっ!!」 彼女はマズいことを言ったという顔をする。 やっぱりそうだ。彼女は初対面にして僕の名前を知っている。 「君、サンタさんだね?」 つい先日、他のクラスに転校生がやってきた。二学期も終わりに近い。制服は前の学校のもので、とても美人らしく、僕のクラスにもファンがいる。 僕はまだ、一度も見かけていないが、『サンタちゃん』と男子の間で呼ばれていた。本名はサンダなのかミタなのか良くは知らない。
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