チェリーランド

2/18
前へ
/140ページ
次へ
商店街を無事通り抜け、駅前のバス停で遊園地に向かうバスを待っていた。 明日から冬休みに入るからだろうか?早い時間帯に商店街を歩いても、補導される気配はなかった。 きっとみんな、学校が終わったと思っているに違いない。 それでも、丈の短い制服姿の僕が貧乏そうに見えるのか、貧乏そうな僕が美人に手を引かれ歩いているのが可笑しいのか、チラチラと視線を感じた。 「あ、あのさ」 「何?」 「忘れているかも知れないけど、僕お金持ってないから遊園地は……」 策にのると決めたモノの、やっぱり貧乏で冴えない自分に腰が引けてくる。バスに乗り、遊園地に行くとなるとなおさらだ。
/140ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加