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商店街を無事通り抜け、駅前のバス停で遊園地に向かうバスを待っていた。
明日から冬休みに入るからだろうか?早い時間帯に商店街を歩いても、補導される気配はなかった。
きっとみんな、学校が終わったと思っているに違いない。
それでも、丈の短い制服姿の僕が貧乏そうに見えるのか、貧乏そうな僕が美人に手を引かれ歩いているのが可笑しいのか、チラチラと視線を感じた。
「あ、あのさ」
「何?」
「忘れているかも知れないけど、僕お金持ってないから遊園地は……」
策にのると決めたモノの、やっぱり貧乏で冴えない自分に腰が引けてくる。バスに乗り、遊園地に行くとなるとなおさらだ。
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