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「はぁ……」
僕は桜木ケント。中学二年の冴えない男子。
今日、百二十六回目の溜め息。
今日で丸三日、学校を休んでいる。もちろん、ただの登校拒否。家を普通にでたものの、学校には向かわずに公園のベンチに座っている。
制服に薄めのコート。古臭い柄のマフラーに穴の開いた手袋。
――正直、寒い。
「はぁ……」
今ので百二十七回目の溜め息。
溜め息をつく度に、タバコを吸ってもいないのに、口から白い息がでる。まぁ、タバコなんて吸う気もしないけど。
落書きだらけの鞄を見ると、ますます学校に行く気がなくなる。
てかさ、学校そのものの価値観がいまだに分からない。何のためにあるのか、毎日毎日考える。
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